早稲田大学(新宿区戸塚町1)が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済的に困窮している学生支援のために呼び掛けている寄付が3億円を超えたと、6月15日、発表した。
早大は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経済的に困窮している学生に対し、これまでに「緊急支援金」(10万円)の給付や「早大緊急奨学金」(40万円)などの規模を約3倍にするほか、オンライン授業の実施に伴う支援としてパソコン(500台)、WiFi機器(900台)を無償貸与するなど取り組んできた。当初予算は約5億円だったが、約7億円まで増額しているという。
これらの支援を拡大・継続するために、教職員、卒業生、個人、団体、法人などに寄付(1口1万円~)を呼び掛けてきた。4月24日に寄付を呼び掛け始め、1週間で1億円超、1カ月で約2億円、6月12日時点で3億円に到達した。年配の人をはじめ、20代・30代の若い人からの寄付も多いという。
集まった寄付は、緊急支援金や早大緊急奨学金などの給付に充てる。緊急支援金は現時点で8400人を超える申請があった。5月15日から支給を開始し、現時点で4571人の学生への支給が決定、3824人に支給が完了。「できる限り多くの学生に支給できるよう努力している」(早大)という。申請書は職員が徹夜に近い形で全て目を通しているという。
早大は「国連が掲げるSDGsの理念の一つ『誰一人取り残さない』に沿って、同時に建学の精神にのっとり、『どの学生にも学業を経済的な理由で諦めさせたくない』と考え、さまざまな予算の削減を行って支援体制を続ける」としつつ、「それでも十分ではない状況」とし、引き続き寄付を呼び掛けている。