高田馬場の居酒屋「わっしょい」(新宿区高田馬場1、TEL 03-5273-0267)は、実施していたクラウドファンディングのリターンの木札174枚を9月9日、店内に貼り終えた。
高田馬場の居酒屋「わっしょい」に張り付けられた「中南米研究会」の木札
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、売り上げが激減し事業継続が困難になったことから、5月7日から6月22日までクラウドファンディングを実施、7月末からリターンの送付を開始していた。最も人気だった「わっしょい」オリジナルジョッキのペア(黒・赤)のリターンには、1080人から支援があり、2160本のビアジョッキを送付。ツイッター上に、わっしょいのジョッキが喜びの声とともに上げられていた。
木札のリターンは、支援者が指定する名前や名称を彫刻し、店内に無期限で掲示するもの。多くの早大サークルの打ち上げやコンパで「わっしょい」が利用されることから、早大の卒業生を中心に、近隣住民などの常連客や近隣店舗から木札への支援が集まっていた。他のリターンの発送を全て終えてから最後のリターンの実行として9月5日から始め、4日間かけ店内に貼り付ける作業を行った。
木札には、縦書きで「中研」「南究」「米会」と3枚並べる早大サークルの「中南米研究会」、第58代から第65代まで連続して木札を支援した「早稲田大学放送研究会」、32期で7枚、他の期と合わせて合計10枚の木札を支援した「早大オムニバス」、31代~37代が1文字ずつ「企」「画」「集」「団」「便」「利」「舎」とそれぞれ名前を入れた木札を7枚横に並べる「企画集団便利舎」など、特徴のある木札も見られ、各サークルが世代を超え、わっしょいを利用していた面影が残る。
木札は、厨房(ちゅうぼう)のある「右わっしょい」、宴会場のある「左わっしょい」に貼り付け、支援してくれた人がよく利用していたと思われる場所を選んだ。分かる範囲で、関係性のある人同士を近くに貼り付ける工夫も。わっしょいの料理長・今村浩介さんは「木札を貼り付けたことをツイッターで告知したところ、すでに木札を見に来てくれるお客さんもいる。久々に来店いただく方もいて、大変ありがたい」と話す。
木札を支援した早大OBで高田馬場を拠点にIT企業を経営する中西晋吾さんは「個人的にはチャーハンにまつわるドラマをはじめ、学生時代、社会人になってからも、さまざまな思い出がある。他のお客さんと仲良くなれるのも良いところ。木札の数にも表れているように、数多くのドラマがある居酒屋。木札の飾られた居酒屋わっしょいが早稲田の新しい名所、そして世界遺産になってほしい」と話す。
今村さんは「1枚3万円と決して安くない価格だったが、本当に多くの方に支援していただき、感謝の気持ちでいっぱい。木札を張り付けながら、久々に見る名前もあり、懐かしい気持ちになった。木札を見に来ていただき、久々に再会できるとうれしい」と話す。
木札を貼り付けたところ、予想以上にスペースに余裕があったため、クラウドファンディングと同じ3万円で追加受け付けもしている。