職人が手作りで仕立てたハンドメードシルクなどを輸入販売する「ハンドメイドシルクショップ『maki×maki(マキマキ)』」(新宿区西早稲田3)が、カンボジアの女性・障がい者の雇用支援に取り組んでいる。
カンボジアのNGO団体「Woman for Woman」の皆さん
ハンドメードとフェアトレードをコンセプトに、カンボジアやラオスなどの新興国の職人たちが「手仕事」で製作する天然素材製品を輸入販売する同店。一昨年秋に公開された東京メトロのCM「Find my Tokyo. 高田馬場 アジアの深み」編では、アジア風のスタイルで高田馬場を訪れた石原さとみさんが、同店のカンボジアシルククロマー(ストール)を手に取り身に着けるシーンのロケ地となった。
パートナー団体の一つである「Woman for Woman」は、2005年設立のカンボジアのNGO団体。貧しい少女や障がいのある女性たちが自立し、より良い生き方を見つけられるようサポートを行っている。これまでに裁縫スキルの提供により500人以上の女性が独立。さらにデザイン、会計、マーケティングなど起業のためのトレーニングなどの活動を行っている。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、主な取引先である欧州からの発注がなくなり、厳しい運営状況が続いている。今年の春には、少しでも売り上げを支えようと同店と共同でコットン製の「洗えるマスク」の生産を始めたが、徐々に雇用の維持、工房そのものの存亡が危ぶまれる状況になっているという。
代表の岡本匡弘さんは「4月、5月の店舗休業以来、継続するアパレル市場の不況も重なり、大幅な赤字を抱え、このままでは取引の維持が困難な状況に直面している。創業以来『Woman for Woman』をはじめ、複数のファクトリーと商品を開発しながら継続的に取引を重ね、フェアトレードを5年間続けてきた。フェアトレードは、定期的かつ継続的な取引によって成立するもの。そのために日本からも多くの発注を現地工房に提供したいと考えた」と経緯を説明する。
岡本さんは、1995(平成7)年に学生バックパッカーとして初めてカンボジアを訪れる。当時はまだカンボジアの内戦終結後の国際連合カンボジア暫定統治機構(UNTAC)による統治を終えたばかりで、街のあちこちで政府軍の検問があり、遺跡の修復作業や地雷撤去作業が続いていたという。当時からの縁で、2015(平成27)年に同店を開業した岡本さんは、「日本側とカンボジア側が協力して支え合い、カンボジアの皆さんと積み重ねて、少しずつ広げてきたフェアトレードの輪を守りたい」と今回、クラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げた。
CAMPFIREの社会問題と向き合う人のクラウドファンディング「GoogMorning」で支援を募っている。リターンは、「makixmaki西早稲田店」の店舗で使える金券1,000円×5枚の「未来チケット(商品券)」(5,000円、1万円、30,000円)のほか、約170グラムの軽さが特長の「シルクバッグ+フォトブック」(7,000円)、「シルクカードケース+フォトブック」(4,000円)、シルクネックレス(9,000円)、「高級シルクストール+フォトブック」(1万5,000円)など。
11月30日まで。