早稲田通り沿いの「源兵衛子育地蔵尊」境内(新宿区西早稲田2)の改修工事が完了し、「令和の改修 お披露目・お魂入れ法要」が12月21日に行われた。
「源兵衛子育地蔵尊」は江戸時代初期に周辺地域を開墾した源兵衛らを供養し、功績を記念するため1726年に安置された地蔵尊。さまざまな御利益があるとされるが、子どもに関する願い事が成就すると伝えられたことから「子育地蔵尊」と呼ばれ、地域から親しまれている。
現在は西早稲田商店会が管理しており、「源兵衛子育地蔵尊の石造物群」と同じ敷地内にある「彰忠碑」は、新宿区の地域文化財に認定されている。商店会は例年、「地蔵まつり」を開催し、期間中は境内において音楽イベントや紙芝居などの催しや加盟店など各所で多様なイベントを行ってきた。毎月5000人の参拝者があるという。
改修工事は11月1日~12月20日に行った。1960年(昭和35)年以来の改修工事となり、「地蔵尊の御尊顔修復」「庚申塔(こうしんとう)および馬頭観音の移設」、地蔵坂通りに面する塀の改修や出入り口の新設、絵馬・案内板を改修した。より多くの人が集える場所になるよう、外壁などの耐震性の向上やバリアフリー化も行った。スペースが広くなり、商店街のイベントなどで活用を進める。
当日は玄国寺(高田馬場1)の高山住職らが、地蔵尊・庚申塔に魂を戻す法要を行った。商店会関係者や地域住民など約40人が参加し、新しくなった地蔵尊をお参りし、改修工事の完了を祝った。
西早稲田商店会・地蔵改修委員会の委員長・五十嵐智さんは「改修工事は30年来の構想だったが、都度頓挫してきた。多くの皆さんのご協力を得て、今回ようやく実現することができ、うれしく思う。商店会がイベントをすることで参拝者が増えてきていた。この広場がさらに多くの人が集う場になれば」と話す。