早稲田大学が、田中愛治総長のメッセージ「緊急事態宣言の発出に際して」を1月5日に、「早稲田大学への受験を考えている方々へ」を1月6日に、それぞれ公開した。
緊急事態宣言が1都3県に発令される見通しの中、今学期の授業を学期の終了まで予定通り行うと発表。研究教育機関が対象から外される可能性が高いこと、教室の空調設備に投資し1時間1人当たり30立方メートル換気できるようにしたこと、教室収容人数の約2分の1以下にしていることから決定したという。感染状況の急激な変化が起きない限り、予定通り授業を実施する。
2月に実施予定の入試についても同様の対応を取ることで、受験生が安心して受験できる環境を整える。授業と同じく、感染状況の急激な変化が起きない限り変更はないが、受験生にはホームページの情報を注視するよう呼び掛ける。また現役早大生らがコロナ禍で作成した「そして紺碧(こんぺき)の空へ」の動画を受験生に紹介し、早稲田のキャンパスライフの雰囲気を伝えた。
早稲田大学では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から春学期は全ての授業をオンラインで実施。秋学期は一部を対面で行い、オンライン授業を継続してきた。8月からはサークル活動が条件付きで再開。11月7日・8日には完全オンラインで「早稲田祭」が開催され、約5000人の学生が運営や出演のためにキャンパス内に入構したが、クラスターは発生しなかったという。
11月後半からは対面授業がそれまでより増加。オンラインと対面を併用する形になっていた。再度の緊急事態宣言を前に、他大学に先駆ける形での発表となった。健康上の理由などで登校・出校できない学生に対しては、無理をしないよう呼び掛ける。受験生には、入学センターのページで最新の情報を提供していく。
12月1日には来年春学期は状況が許せば約7割の授業を対面で実施できるよう計画していることを発表。12月25日には「オンライン授業に関する調査結果」(調査期間=2020年8月3日~22日、回答数=1万5093件、回収率=31.4%)を公開し、オンライン授業の良い点、改善点、今後の課題などを明らかにしていた。
今回の2つのメッセージでも再度、新年度の7割対面授業を目指していることに言及。感染拡大を防ぎながら、学生らしいキャンパスライフが送れるように努力していく方針を示した。「オンライン授業に関する調査結果」では、感染症リスクが無い場合のオンライン授業の適切な実施割合の平均値が3割となっており、対面授業の7割という数値は学生の声も反映したものと推測される。
それぞれのメッセージの最後に、学生には「一人ひとりが自覚を持って行動し、感染を防ぐ努力を怠らないようお願いいたします」、受験生には「是非とも、受験生の皆さんが安心、安全に早稲田大学を受験して、入学してくださることを期待しています。早稲田大学は皆さんを応援しています」(原文ママ)と呼び掛けた。