高田馬場駅前ロータリー広場(以下、ロータリー広場)の照明が、2月18日から夜間に点灯されている。
照明により明るくなった高田馬場駅前ロータリー広場の様子(高田馬場駅前交番側から撮影)
ロータリー広場には灯具が取り付けられている柱が2本あったが、点灯しない状況が続いていた。新宿区みどり土木部道路課西部工事事務所が2月18日に灯具の取り換え工事を行い、点灯するようになった。
取り外された灯具の設置年は不明だが「製造番号から2007(平成19)年ごろに設置されたものと推測される」(新宿区)という。以前の灯具がいつから点灯していなかったのかは不明。約14年ぶりの灯具交換で、メタルハライドランプからLED投光器になった。
採用された灯具は、広場、駐車場、踏切などで利用されている岩崎電気のLED投光器で、1つ当たり定格光束が1万ルーメン以上で超広角のもの。柱に2つずつ取り付けられ、4つの灯具がロータリー広場を照らしている。センサーが明るさを感知することで、自動的に点灯・消灯し、毎日点灯する。
灯具交換のきっかけは、日曜を除き、ロータリー広場を毎日清掃している早大の学生サークル「早稲田大学ロータリーの会(以下、ロータリーの会)」が新宿区へ要望を出したこと。ロータリーの会は、2020年1月に活動を開始。緊急事態宣言中は、早稲田大学からの課外活動自粛要請などを受け、活動を自粛しているが、1年以上にわたり清掃を継続してきた。
ロータリーの会・代表の新井国憲さんは「以前からロータリーの会の中でも、ごみのポイ捨て対策の一つとして挙がっており、使われていない照明があるので利用してほしいとお願いをした。同じ新宿区内の歌舞伎町で、映画館前にある広場でさえ照明によって明るく保たれているので、これくらいはせめて照らしてほしいと伝えた」と話す。
ロータリーの会からの要望を受け、新宿区が調査を実施。灯具の故障を確認し、「安全・安心の観点から交換が必要と判断した」という。そのような経緯もあり、従来の灯具よりも広範囲を明るく照らすLED投光器を採用。新宿区の担当者は「ロータリー広場は、多くの人が集う駅前の貴重なオープンスペース。区は広場の適正な維持管理と魅力向上に努める」と話す。
新井さんは「1年間活動を続け、現状の問題を訴えてきたことで、こうして直接対策を講じることができたことは大きい。ロータリー広場には多種多様な人が集まるからこそ、ある特定の集団を名指しするのではなく『ポイ捨て・不法投棄する人』という視点を大切にし、ごみを捨てさせない環境づくりをしたい」と意気込む。
「今後も自治体である新宿区や地域の方々とも協力しながら、ロータリー広場の散乱ゴミ問題解決に向けて多様な取り組みを試していきたい。また清掃活動が再開できるようになった際はぜひ1日でもご協力いただければうれしい」と呼び掛ける。
ロータリーの会は、緊急事態宣言解除後に活動再開予定。