和歌山で柴犬と暮らす写真家、北田瑞絵さんの写真展「inubot(イヌボット)回覧板」が現在、下落合のギャラリー「Alt_Medium(オルトメディウム)」(新宿区下落合2、TEL 03-5996-8350)で開催されている。
北田さんは、実家から離れて暮らす妹に犬の様子を知らせるために、2016(平成28)年にツイッターアカウント「inubot」を開設。柴犬と和歌山の自然と北田さん自身の住まいや家族の生活が垣間見える同アカウントは徐々に拡散され、現在は2.6万人のフォロワーを持つ。2018(平成30)年7月には、「ESSE online」で写真とエッセーでつづる「inubot回覧板」を連載開始。同展は、同名の著書の出版を記念して開く。
北田さんは「一緒に暮らしている柴犬には皆で付けた名前があるが、ここでは『犬』と表現している。そのことでイメージが広がって、見る人の数だけの物語がそれぞれの人の中で紡がれているのでは。妹のためにと始めたツイッターだったが、フォロワー数は今、私が住む町の人口をはるかに超えている。そう思い当たった時から、『inubot』という一つの町があって、私たちはみんな町民だと思うようになった」と話す。
同ギャラリーでの個展は、北田さん自身の初個展「一枚皮だからな、我々は。」に続き2回目。初個展は、「塩竈フォトフェスティバル2016 写真賞大賞」受賞による写真集出版に合わせて行った。北田さんは「塩竈フォトフェスティバルで世話になった菊田樹子さんから、過去にこの賞を受賞した篠田さんを紹介された。当時、東京には地縁がなかったので心強かった」と、ギャラリーとの出会いを振り返る。
会場には、北田さんの写真とエッセーのほかに、「犬の毛」「犬がくわえて走り回る枝」、北田さんの母親が営む柿畑やミカン畑で使うコンテナなどを展示。著書の「inubot回覧板」のサイン本も用意するという。
「犬を通して、生命のあるがままを感じてほしい」と北田さんは語り掛ける。
開催時間は12時~20時(最終日は17時まで)。水曜定休。8月20日まで。