オレンジコートショッピングセンター会(新宿区大久3)が11月21日、中庭に高さ6メートルの生木のモミのクリスマスツリーを設置した。夕暮れからはクリスマスミネーションをともしにぎわいを呼ぶ。
東京都施行再開発事業の第1号案件として整備された西大久保地区(ニュータウンオークボ)に立地する同会は、1981(昭和56)年に発足。「オレンジコートショッピングセンター」という名称は、住民からの公募で決めたという。現在は、再開発以前から続く商店を含む29店舗が加盟する。商店会として大型のクリスマスツリーを設置するのは今回が初めてという。
発案者は、同会の副会長を務める矢吹通康さん。矢吹さんは、2015(平成27)年にショッピングセンターの中庭に面する場所に「パンとコーヒー 馬場FLAT(フラット)」を、2017(平成9)年にはそのはす向かいに「カフェとキッチン 馬場FLAT HANARE(フラットはなれ)」を出店。2015年に入会した若手経営者ながら、本年度、同会の副会長を務めている。
矢吹さんは「商店会の南西に高層のオフィスビルとマンションが建ち、サラリーマンや子育て世代の家族など新たな流入があるにも関わらず、商店会の存在はなかなか知られない。ツリーの設置は、そういう人たちに存在を知ってもらうことを第一の目的として役員会で提案した」と経緯を話す。
総務を担当する「TEA&SWEETSこく~ん」の相沢まゆさんは、「矢吹さんの提案を受けて、毎年開催するオレンジコートクリスマスセールの一環としてツリーを設置した。セール期間中は、既存のお客さんへの感謝の気持ちを込めて、合計5053個の菓子を加盟各店で配る」と説明する。
5代目として現会長を務める「コスガ薬局」の小菅孝太郎さんは、「かつては中庭を利用して商店会主催の盆踊りやフリーマーケットなどさまざまなイベントを行っていた。加盟店オーナーの高齢化などで、しばらく途絶えていたが、今回、矢吹副会長の発案で中庭にツリーを設置することができた。小さな商店会だからこそ、若手や女性メンバーがアイデアや力を発揮しやすい環境になっていることが新しい取り組みにつながっている」とほほ笑む。「相沢さんの紅茶専門店をはじめ個人経営の専門店が多いこのエリアに、生木(本物)のモミの木を置くことに深い意味を感じている。世界中の人たちになじみの深いクリスマスのイベントに外国の人たちも含め多くの人に足を運んでもらい、この商店会の個性や良さを知ってもらえれば」と期待を込める。
ツリー設置に合わせて、矢吹さんは同会のフェイスブックページやインスタグラムを開設。「来年は点灯式も行いたい。毎年続けることで、中庭のクリスマスツリーを高田馬場の新名所にしたい」と意気込む。
クリスマスツリーライトアップは17時~21時。12月27日まで。オレンジコートクリスマスセールは25日まで。