高田馬場・早稲田の街をテーマにした楽曲の制作・発表が現在、広がっている。
早稲田大学の音楽サークルで出会った早大OB9人によるバンド「bwpとファンキーヘッドライツ」は、高田馬場の居酒屋「わっしょい」(新宿区高田馬場1)を応援するアンオフィシャルソング「居酒屋わっしょい 勝手に応援FUNK」を5月26日、ツイッターとユーチューブで公開した。バンドは、ソウル、ファンク、R&B、AOR、ジャズをルーツとしている。
メンバーは元々異なる音楽サークルの所属であったが、どのサークルも打ち上げは決まって「居酒屋わっしょい」で行っており、メンバー全員が思い入れのある店。今回のコロナ禍で、わっしょいの危機的状況やクラウドファンディングの取り組みを知り、「勝手に作って応援しよう」とメンバーが発案したことがきっかけになった。メンバーの結婚式の2次会の会場にもなっていたという。
5月の中旬より曲を制作し始めた。録音、撮影は全てLINEやzoomなどを用いてリモートで行った。動画をツイッターで公開すると、わっしょい公式アカウントも反応。バンドメンバーは「卒業から十数年経っても我々を覚えていてくれて、応援ソングに感動して頂き、メンバー全員が本当にうれしく思っている。『わっしょい』で潰れることがあっても、『わっしょい』が潰れてはならない。心のふる里『わっしょい』は永久に不滅。我々も引き続き全力で『わっしょい』を応援したい」と話す。
4人のMCとボーカル、ビートボクサーのグループ「RMD」は「早稲田UP」を5月22日にユーチューブなどで公開した。MCの4人は、早稲田大学高等学院で3年間同じクラスで、早稲田大学入学後も交流があった。今年4月に結成し、1曲目の「RMD」を制作中に「早稲田UP」の構想が浮かんだ。全員素人で初めて曲を作る経験をしたという。
「早稲田UP」制作のきっかけについてRMDのメンバーは「ヒップホップの世界ではいわゆる『レペゼン○○』といって出身やルーツを全面的に主張する文化がある」とし、「私たちに共通するものは何かと考えた時にまず浮かんだのが早稲田だった」と話す。地元愛を歌うSHINGO★西成さんの曲「大阪UP」を母校バージョンとしてサンプリングし、歌詞は大学などで過ごした思い出をちりばめている。
「早稲田UP」制作には1週間ほどかかった。RMDのメンバーは「『早稲田UP』は大変思い入れのある曲だが、この曲だけのために結成したわけではない。この曲をきっかけに少しでもこのグループに興味を持ってもらえれば」と呼び掛ける。「これからも『レペゼン早稲田』の気持ちを忘れず、早稲田のさらなる発展とともに私たちも右肩上がりで成長していきたい」と意気込む。
早稲田大学の文化・芸術サークルをつなぐプロジェクト「SHARP#」は「そして紺碧(こんぺき)の空へ」を6月27日ツイッターで公開する。「SHARP#」は早稲田に広がる世界の文化・芸術の価値を届ける公演を開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。代替企画として21の学生団体で「紺碧の空」を演奏する動画を5月2日に発表していた。
「そして紺碧の空へ」の制作は「SHARP#」中止の代替企画の第2弾。「そして紺碧の空へ」を制作した経緯について「SHARP#」代表の遠藤伶さんは「コロナ禍で早大生はキャンパスにも通えず、友達とも会えない。そういった苦しい状況が続く中だからこそ今まで当たり前のように送れた早稲田でのキャンパスライフのありがたみを感じている」とし、「この思いや教訓を歌として残し、未来へつなげたい」と話す。
5月半ばより制作を開始した。ツイッター上で歌詞を募集し、早大OBで作曲家の杉山勝彦さんの協力も得ながら1カ月ほどで完成した。遠藤さんは「このプロジェクトを通して改めて早稲田は自分らしい生き方を肯定してくれる場所だと感じた。一人一人の早大生やOB・OG、早稲田の街の人にとって、「そして紺碧の空へ」が早稲田全体を明るく照らしてくれるような作品になれば」とほほ笑む。