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高田馬場「芳林堂書店」が舞台の掌編小説 店ゆかりの作家が協力、チラシで配布

掌編小説がプリントされたチラシを持つ「芳林堂書店高田馬場店」の皆さん(前列右が山本善之店長)

掌編小説がプリントされたチラシを持つ「芳林堂書店高田馬場店」の皆さん(前列右が山本善之店長)

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 「芳林堂書店高田馬場店」(新宿区高田馬場1)が同店を題材にしたミステリー作家・天祢涼さんの掌編小説を掲載したチラシの配布を4月2日、開始した。

青木杏樹さん、天祢涼さんの掌編小説が印刷されたチラシ配架の様子

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 高田馬場駅前のFIビルに入る同店は、学生街の大型書店として、長年、多くの人に親しまれてきた。集客のために作家を招いたトークイベントやサイン会などのイベントを積極的に行ってきたが、新型コロナの影響でイベントの中止や延期が相次いでいる。

 店長の山本善之さんは「新型コロナの影響で客数が減ってしまい、厳しい状況が続いている」と話す。オンライン授業で学生が街から少なくなったり、多くの人が節約志向になったりしたことも影響した。

 新たな集客のためにチラシ配りを今年1月に開始。新刊案内や試し読みを一緒に配ると喜んでもらえるのではと考えた山本さんが、店のツイッターで、版元や作家に協力を呼びかけたところ、翌朝にサスペンス・ミステリー作家の青木杏樹さんから同店を舞台にした「高田馬場の本屋と、アタシたち」と題した、2人の女の子が主人公の掌編小説のデータが送られてきた。

 喜び驚いた山本さんは、すぐに店のコピー機で印刷して配布を開始。取り組みの珍しさからツイッターでも話題になった。第2弾となる天祢さんの掌編小説のタイトルは「芳林堂書店高田馬場店の“ゴカイ”」。青木さんのチラシのことを知っていた天祢さんがフェアで来店した際に、提供してもらえることになった。

 天祢さんの作品は、同店での実体験と昔読んでいた作家の思い出が基になっており、2018(平成30)年のリニューアルでなくなった5階の売り場も登場する。青木さんも学生時代に店を利用しており、「芳林堂書店がなければ出合えなかった本がたくさんあった。ネットがここまで普及していなかったあの頃、学生時代の私にとって学校帰りに寄れる最高の遊び場だった」と振り返る。

 店にゆかりのある2人の作家の「少しでも思い出の店の力になりたい。元気に営業を続けてほしい」という気持ちが、今回の取り組みにつながった。現在は印刷会社で印刷し、店頭などで配布している。

 山本店長は「今回全てを無償で行っていただいており、それに対してお応えするのは、より多くの方に読んでもらえるようチラシをたくさん配布することと、当店が長く高田馬場で営業し続けること。お二人のご厚意を励みにこれからも頑張っていきたい」と意気込む。

 営業時間は10時~21時(土曜・日曜・祝日は20時まで)。

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